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取手 膝関節痛①

膝関節は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間に存在する関節で、大腿骨、脛骨のほか膝蓋骨(お皿)の3つの骨から構成される関節です。

大腿骨の先端は丸みを帯び、脛骨の先端は平らに近い構造をして、その上を転がるように移動して膝関節の運動が起きます。平らと丸みの不安定な組み合わせを補う様に靭帯や筋肉が膝関節の周囲を補強しています。膝関節は歩行に重要な関節であるため、負荷がかかりやすい関節で痛みが現れる人は多いと言われています。膝関節に痛みを持つ人は約1000万人いると言われ、症状がなくてもX線による撮影によって膝関節に変形がある潜在的患者を含めると約3000万人に上るとも推定されています。これほど多くの人が膝関節を痛めてしまうのは、膝関節は体重を支える重要な関節であり、非常に大きな負荷や衝撃が加わる関節の一つだからです。

最近の研究により膝関節にくわわる負荷について詳しくわかってきました。

人が立っている時に片方の膝関節にかかる負荷は体重の約1.1倍にも及ぶと言われていますが、単に身体を支えるだけなら、片方にかかる負荷は体重の半分で済むそうです。

しかし実際には、身体が倒れないように、膝関節周囲の筋肉が上下に引っ張り合っているため、その負荷も加わります。

歩くときは、更に負荷が大きくなり片方の膝関節に体重の約2.6倍もの負荷がかかります。

日常生活において膝関節にもっとも負荷がかかるのは階段を下りるときです。下りるとき、先に下ろした方の膝には体重の約3.5倍のも負荷がかかります。ただしこれはゆっくりと階段を下りた場合のデータであり、階段を速く下りた場合や走った場合、ジャンプした場合は膝関節に更に大きな負荷が加わります。日常生活においてこれほど負荷を受ける膝関節ですが、すぐに傷まないのは膝関節に負荷や衝撃を和らげる構造を持っているからです。

大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の先端にいわゆる軟骨があり、軟骨のおかげで衝撃が和らぎます。関節軟骨の主成分や水分、プロテオグリカン、コラーゲンから構成され、水分は約80%にも及びます。この水分の多さが関節軟骨の衝撃に対する強さへ繋がり、さらに膝関節の間には半月板と呼ばれるクッションとなる装置が存在します。半月板はコラーゲン繊維から構成され、弾力もあるため衝撃を和らげる作用があり、膝関節の運動を助ける役割があります。このような構造のおかげで歩行時や立位時に身体を支えることが可能となります。

次回は膝の痛みについて知っていきましょう。

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