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取手 膝関節痛②

膝の痛みの原因には加齢の他、肥満、運動不足も関わっています。膝の痛みを訴える患者さんの9割近くを占めているのが「変形性膝関節症」という疾患です。膝関節の半月板が傷み、関節軟骨がすり減ることにより生じるのが「変形性膝関節症」という疾患です。この疾患の大きな原因は加齢と肥満と言われています。

年を重ねると日々、膝にかかってきた負荷が積み重なり、半月板が傷んだり関節軟骨がすり減りやすくなります。そのため今後高齢化社会が進むとこの疾患は増えていくと予想されています。

肥満があると膝にかかる負担をより大きくするので、体重が3kg増えると、階段の下りで片方の膝にかかる負荷は約10kg増加することになります。実際、肥満があると、「変形性膝関節症」を発症するリスクが高まることは、はっきりとしています。この疾患を悪化させる要因に、運動不足があります。運動をしないでいると、膝やその周囲に次のような問題が発生します。

脚の筋力低下

登山やランニングなどで脚が疲れてくると、膝がガクガクと震えてきます。これは脚の筋力が低下した状態です。着地した時の衝撃は、筋肉が収縮することで軽減されているので、このように筋力が低下すると、その衝撃を和らげられず、痛みを生じてしまいます。

関節軟骨への悪影響

膝関節を包む「関節包」の中には「関節液」という粘性の液体が少量含まれています。関節軟骨には血管が走っていないため、血管による栄養の運搬がありません。このため関節軟骨の細胞は、関節液により栄養を得ています。運動不足により膝関節をあまり動かさないでいると、関節液が循環せず、関節軟骨に栄養が行き渡らなくなり「栄養不足」に陥ります。

硬い関節

運動不足で膝関節を動かさずにいると、やがて膝関節を動かせる範囲が狭くなってしまいます。その結果、正座ができなくなったり、脚をまっすぐ伸ばせなくなります。このように、運動不足は膝関節に悪影響を与えますが、一方で、運動のし過ぎでスポーツ外傷と呼ばれる怪我をして、痛みがでることもあります。

半月板を傷める「半月板損傷」や、膝関節の靭帯を傷める「靭帯損傷」がその代表例ともいえます。

膝の痛みを防ぐため、スポーツをするときは、その種目の基本となる動作を繰り返して練習し、毎回準備運動を行いましょう。また運動後のクールダウンも大切です。肥満がある方は、まずは体重を減らすことが重要です。3kg痩せることにより階段の下りでの膝への負荷が約10kgも減ります。

大事なのは適度な運動を継続していくことです。ウォーキングやサイクリング、水泳など膝への負担が少ない運動が変形性膝関節症の予防に適していると言われています。

また日頃から脚の筋力を鍛えておくことも重要です。自宅でもストレッチをし、膝関節を柔らかくしておくことも大切です。「変形性膝関節症」は前触れとなる症状が見られます。起床時、膝関節の動かし始めに違和感やこわばり、痛みを感じ、すぐによくなるというものです。寒い時や天気が悪い時に違和感や痛みが出るのも、前触れの可能性があります。これらの症状に気付いたら上記の膝への負担が少ない運動やストレッチなどを行い予防していきましょう。

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