体幹とは、人間の身体の頭部と四肢(左右の手足)を除いた部分を指すのが一般的です。身体のコア(中心)となる部分です。お腹周りをイメージされるかもしれませんが、腹筋だけを指すのではありません。背中や腰周りも含めた胴体の中心部全体と考えていただければよいと思います。体幹は、骨と筋肉からなります。体幹を構成する骨には、骨盤、背骨、肋骨(ろっこつ)、肩甲骨(けんこうこつ)などがあります。そして、その周囲を取り巻く筋肉には、深層筋、表層筋があり、この2種類の筋肉を総称して体幹筋と呼びます。深層筋は、身体の内側の深い部分にある筋肉です。インナーマッスルとも呼ばれます。表層筋は、深層筋の外側、身体の表面に近い部分にある筋肉です。
体幹の重要な役割
体幹には、たくさんの筋肉があり、役割も違います。例えば、お腹周りの筋肉を見てみましょう。一般的に、腹筋と呼ばれているのは腹直筋です。腹直筋は腹部の表層にあり、腹部を丸める際に収縮して機能します。それに対して、深層にあるのが腹横筋です。腹横筋は収縮してもあまり大きな動きを生まないので、外からは分かりません。腹横筋は自前のコルセットとも呼ばれ、身体を支える働きがあります。このように体幹筋には、身体を動かす筋肉(表層筋)と、身体を支え安定させる筋肉(深層筋)があるわけです。それらはお互いに連動していて、「支える」筋肉が土台としての機能をしっかり果たすことによって、「動かす」筋肉もその役割を発揮できるのです。
体幹の3つの役割
体幹の役割についてまとめておくと。主に3つあります。
姿勢を維持し支える役割 人間は直立二足歩行をします。四本足の動物はお腹が垂れていますが、ヒトは動物のように垂れていませんね。これは内臓を包み込むように存在している腹横筋のおかげなのです。姿勢を維持し支えるのに体幹はとても重要で、それには深層筋が主に関係しているのです。
動きを生みだす土台としての役割 表層筋は、体幹を前後左右に曲げたり、ひねったりするのに使われます。多くの動作は、四肢の動きをともなって行われますが、まず体幹部の筋肉が動き、それに連動して腕や脚の筋肉が動きます。このように手足の動きを生みだす元になっているのが、体幹の力強い動きなのです。
軸としての役割 ボールを投げたり蹴ったりする動作を思い出して見てみてください。動作の大きい手足の動きに目がいきますが、うまくボールを投げたり蹴ったりするためには、体幹のひねりや安定が不可欠なのですね。