水泳は全身の筋肉を使った運動であり、水圧によるマッサージ効果によって全身の血行が促進されることから、健康維持に有効な運動として注目されています。
また、浮力によって重力による負担が軽減されるため、ジョギングなどで起きやすいヒザなどへの故障が少ないことから、リハビリテーションとしても積極的に活用されています。
水中での運動は普段の水の外での運動と比べて主に4つの特徴があります。
その4つの特徴とは空中での運動との比較において、
1.体を動かす時の抵抗が大きい
2.水の浮力により体の負担が軽減される。
3.水圧が深さにより大きく漸増し、非常に大きい
4.水の熱伝導率が大きい
これらの特徴は水中運動が他の運動に比して、やる人の条件選択により非常に広範囲の運動負荷と他に例のない負荷の分布、温度、重量変化が得られます。
また、赤ちゃんから老人に至るまで最適の運動が選べるのも特徴です。
抵抗 水の密度は空気の密度の約7百数十倍程度あることが原因で、体を動かすことに対する抵抗力は非常に大きくなります。抵抗力は運動の速度を変えることで変化します。これは運動の強さを速度を変えることで自在に変化させることが出来るわけで、たとえば歩く場合、水中では速度で調整できますが、空気中ではそうは行きません。走路の傾斜等で抵抗を調整するわけですので筋肉の使い方自体が変わっています。
水中では、動くスピードが速くなればなるほど「抵抗」が大きくなります。そのため、速度を自分の調整することで、運動強度を自由自在に操ることができます。また、動くスピードが遅くなればなるほど抵抗が小さくなるので、力の弱い人は自分にあったペースで運動することができます。
浮力 水の浮力で体が軽くなり、下半身の負担が大幅に軽減されます。
体を沈める深さにより下半身の負担を調整できます。
深く沈めた時は、浮いた状態になり、体を立てることでだんだん足元がしっかりしてきます。
水圧 体表には、普段でも大気圧がかかっていますが、特に圧力として感じることはありません。
しかし、水中では大きな水圧がかかります。水圧は深さにより増しますので、立った状態では足の側から上半身に向かって水圧が減少することになります。そのため、水中で歩くときに足を上げ下げすると圧力変動により静脈還流が促進され、血液循環が良くなります。
水温 水は空気に比べ熱の伝わりが大きく増えます。熱は温度の高いところから低いところに流れますから冷水だと温水に比べ体から奪われる熱エネルギーが大きくなります。
体は体温を維持するために熱生産を高めますし、自分で動く早さ、強さを調節することでも熱くなったり、冷えたりします。普段と比べからだの体温調節機能の活発な活動を促進させることは、風邪への抵抗を高めます。以上見てきたように、水中運動は水の特性上、運動する人の負荷を自由に変え、最適な条件を簡単に得ることが出来ます。プログラムを自分で考えたり、教えてもらったりして水中運動を行うときに、これらの特徴を考え合わせていけばさらに良い効果が得られます。